8月26日(兵庫県神戸市→徳島県小松島市)

四国を通らずに山口から九州に渡れば完全に自走して青森から鹿児島までは走る事が出来る。しかし今回は途中で愛媛の実家に寄りたかったのと、徳島県小松島市在住（当時）のサークル先輩に会うために四国を経由することにしたのだ。

　淡路島のフェリーは明石駅から割と近いところにあった。フェリーの時刻を確認すると30分に1本ほどあったのでとりあえず朝ご飯を食べることにした。やっぱ明石と言えば明石焼きを食べないわけにはいかないと思い明石駅の食堂街（？）をうろついてみた。しかし「たこの天丼」というものに思わず引かれてしまい朝からヘビーな物を食べ、結局明石焼きは食べずに港に戻った。程なくフェリーに乗れたがこのフェリーなかなか泣かせる・・・。愛称が「たこフェリー」でいたるところにたこのキャラクターが見られイメージアップに努め明石海峡大橋に対抗しているようだった。その効果ではないと思うが、結構乗客がいたような気がする。橋よりも安い上に明石の市街地から近いので普段の足としてはフェリーの方が便利な人も多いのだろう。

　航行時間は20分足らずと、まったりするヒマもなく淡路島についた。朝から天気が怪しかったが、船から降りた時には雨がちらついていた。でもたいしたことはなかったのでそのまま進んだ。フェリーのついた淡路町からずっと淡路島の東側国道28号線を走っていった。途中雨が強くなり靴が濡れてしまったのでショッピングセンターでサンダルを買い履き替えた。しかしサンダルを買った直後に雨は上がった・・・降らないに越した事はないんだけどなんだかなぁ・・・。淡路島最大にして唯一の市洲本で昼食を取りさらに南下した。淡路島の最南端の南淡町で国道28号線は終わりでそこから県道を通り淡路南ICへ向かった。

　淡路島と四国の間は大鳴門橋という橋で結ばれている。この橋は自動車専用道路で自転車は通る事が出来ないので、計画を立てるとき初めは明石から淡路島の間のように船で渡るつもりだった。しかし調べていくと現在淡路島と徳島の間は航路がないことが判明・・・。どうしようかと考えた末バス会社に問い合わせて見るとバスに輪行袋に入れたら自転車を積んでもよいという回答をいただけたので淡路島の端のICにあるバス乗り場から橋の間だけバスに乗せて貰う事にしたのだ。

　淡路南ICへの道はずっと登り坂でかなり大変で思いの外時間がかかった。バス乗り場に着くと早速荷物を外し自転車のタイヤを外し輪行袋に入れた。バスはちょっと古めの観光バスタイプだった。下のトランクに積んで貰えるのかなと思って運転手さんに聞くと客室に積めというので半ば強引に積み込んだ。乗客は僕を含めて３人だったので問題はなかった・・・。

　乗客の一人のおじいちゃんに話しかけられたので自転車で日本縦断している途中だと話たら、そのおじいちゃんはサイクリング協会のお偉いさんと書かれた名刺をくれた。こんなところでサイクリングのプロフェッショナルとは・・・・ちょっと運命的出会いにときめきを感じた、相手はおじいちゃんだが。。。。四国に渡って最初のバス停鳴門公園口で降りる予定だったが、そのおじいちゃんのそんなところで降りてもなにもないから鳴門駅前まで乗れという忠告に従い鳴門駅前まで乗車した。

　鳴門駅前でそのおじいちゃんと一緒に下車した。ここでバスに積み込むために分解した自転車を組み立てないといけないのだけど、おとついあたりから自転車の後輪のすりへりが気になり始めていたので輪行袋に入れた自転車の組み立てついでに自転車の後輪と前輪のゴムを交換することにした。通常でも自転車の前輪より後輪に大きな力がかかっているが、今回の旅では後ろに膨大な荷物を積み込んでいるためさらに力が加わり激しく磨り減ったようだ。輪行袋から前輪を外してある自転車を取り出し後輪も外し、両方の自転車のゴムを入れ替えた。自転車のタイヤのゴムを外したりつけたりするのは青森でパンクして以来２度目なのでかなり手間取っていた。そうすればなぜかまだいたさっきのおじいちゃんがやってきて、手が汚れるのも気にせずにあっというまに入れてくれ、本当に助かった。

　すでに薄暗くなっていたが今日の目的地まではまだ20キロほどあるのでスタートした。午前中雨に悩まされたのが嘘のようなお天気で快適に走ることが出来た。思えば四国出身の僕にとっては宗谷岬から四国まで走ってきたと考えるとかなり感慨深いものがある。愛媛の実家に着くのは明日の予定なのでまだ生まれた地まではしばらくあるのだけど・・・・。　　　　　

　小松島駅に21時頃着いた。そこまで先輩に迎えに来てもらっていたので車に乗り夕食を取ったあとアジトに行きお風呂に入り、礼文島のユース桃岩荘と函館のライダーハウスの2階建てぼっちゃん便所を酒の肴に飲んだ・・・・。